呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「なんで…
死なないんじゃ…」
「呪いだったらね」
俺のそうであってほしいという絶望的な問いかけは、さも簡単に答えが返ってくる。
「いや…冗談だろ…
麗奈、からかうのもほどほどにしとけって…」
落下した体に、覆いかぶさるように髪の毛がかかっている。
いい具合に伸びた髪の毛が、今なら邪魔に感じる。
「おい麗奈…」
駆け寄って、顔にかかるそれを払いのけた。
そして、またニッコリ微笑む顔を見ようとしたんだ。
でも…
「やめろよ…
ほんとやめろって…」
見えるのは、どんどん赤色に浸されていく黒い床のみ。
「麗奈!麗奈!」
ゆっさゆっさと、これでもかってくらいに体をゆらして、返事を求めた。
どんどん麗奈の体から血が流れ出て、どんどん床は赤に染まってゆく…
「呪いのせいで血はどんなに流れても死なないって言ったじゃんかよ…
あれは呪い限定の話だったのかよ…」
俺たち自身にも、呪いはかかっているようなら、どんなことがあってももう死ねないんだと思ってた。
でも…
またそれとこれでは話が違うって言うのか…