呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「んじゃ、私が汰一さんの仇をとりますよ」

悲しみに呑まれ、もはやどうでもよくなる。

なんで、麗薇はそんな平気でいられるんだ…

なんで…

「人間の感情がじょじょに欠けていく私にとったら、麗奈の死はよく理解できないんです…」

自分で自分に引くかのように、嫌そうに笑う麗薇。

「だから…
もう、こんなの終わらせればいいんですよ…」

とたんに麗薇の邪気が、まるで反応するかのようにビクンと波打つ。

黒蛇のような、邪気全体が、明らかに麗薇の言葉に反応しているのだ。

「な、もしかして…」

一瞬にして変わる黒田の顔色。

血色のいい色白な肌は、どんどん真っ青になっていく…

「私だって、少しは役に立てるんですね…」

そう言うと、

「汰一さん、ここでお別れです…
あの事務所に行ってくださいね。
多分、机の上に手紙がありますよ」

クスクスと笑って、俺を見る。

「今までありがとうございました」

そう言って…

俺の腕をぐっとつかんで寄せたかと思うと、そのまま強く押された。

「っ…おいっ!」

何するんだって言おうと思った。

言葉はでかかっていた。

でも俺はなぜかその言葉を出せないうちに…
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