呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

電車の中でなんとなくケータイをいじりながらも思う。

俺、なんか抜けてる気がする。

何か、まずい気がする。

違和感がある…

でも、何かはわからないそんなモヤモヤした感覚にとらわれていた。

そのまま下りて、呪い屋へと猛ダッシュする。

なんだか、早く麗薇に会いたかった。

麗薇に会って、お互いの存在を確かめ合いたかった…

そして、例のドアの前までたどり着いて、深呼吸をしてからドアノブを引っ張る。

「うおっ」

なぜか、いつもよりドアが軽かった。

その反動で体が後ろに押し返されて、柵に受け止められた。

そういえば、こんなこともあったっけ。

苦い思い出が蘇って笑う。

あの時はたしか、麗奈がいて…

それで、とんでもなくびっくりしたんだった。
< 157 / 167 >

この作品をシェア

pagetop