呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
中に入り、靴を脱ぐ。
「麗薇ー?いるかー?」
あれ、そういえば…
最近、麗薇いなかったんだっけ?
どうだったんだっけ?
あれ…
なんだかさっきから急に昔のこと思い出したりして記憶がぐちゃぐちゃだ。
俺、なんでここに入ったりしてるんだろう。
普通、ノックするのが常識じゃないか。
「麗薇ー?」
間の抜けた俺の声だけ妙に響くこの部屋。
「いないのかよ…」
そう、呟いた時。
「えぇ、麗薇さまはいらっしゃらないですよ」
嫌に甲高い声が俺の耳に届いた。
「は?え?」
「えぇ、麗薇様は、いらっしゃらないです。
私はいますけどね」
声のする方を見ると、なぜだか、俺の足下から白いものがにょきにょきと生えてきている。
なんだ?キノコか?
まさか。
アパートの床からキノコが生えてくるなんて、そんなことあったら大問題だぞ。