呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「麗薇さんはね、未来に生きる汰一さんのために、一生懸命になってくださったんですよ!
残念ながら、あの後正式にお亡くなりになられましたがね…」

白蛇が、悲しそうに言ってうなだれる。

ちょっと待て。

なんだって?

「麗薇が死んだ!?」

「は!?
あなた、そんなことも知らずにここに来たんですか!
この恩知らず!」

様々な罵声を浴びせられるも、そんなの気にしている場合じゃない。

「ちょっと待てよ!
黒田に殺されたのか?」

「あー…」

白蛇は、呆れたように頭のような部分だけをゆらゆらと揺らす。

「麗薇さんは自滅。
汰一さんは無事、魂を体に戻すことに成功」

光のわけのわからない言葉に頭が混乱する。

麗薇が自滅はなんとなく想像できる。

死んでいる自分よりも、生きている俺のことと守ろうとしたんだ、きっと。

だから、呪いの力を使って黒田を殺したんじゃないだろうか。

呪い殺すことはできでも、その時は自分も死んでしまうとか言っていた。

でも…

俺はなんだ?

俺の魂が無事体に戻れたとか、こいつ、何言ってんだ?
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