呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「ハハどうなんだろ…」
本当の呪い屋だったみたいだけど。
その言葉を呑み込む。
っていうか、別にあれが本物だって決まったわけじゃない。
…まだ。
これから、雄介に何が起こるかで決まるんだ。
あんなところに行かせた恨みで雄介を対象にした俺。
よく考えたら、そんなことしてよかったのか?
もしかして、取り返しのつかないことになるんじゃないか?
そんなふうに考えているうちに、俺は心の声が少しばかりもれているのに気がついた。
「あっ…」
口を抑えれば、岩崎が苦笑いをしている。
「藤堂くん、結構独り言激しい方だったんだね」
なんて引き気味に言いながらも、また優しい笑顔に戻る。
ひらひらと俺に手を振ると、教室の中に入って行ってしまった。