呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
仮面の女
チリンチリン
ごく普通の事務所。
「呪い屋って知ってるか?」
あの言葉が、脳内をぐるぐる回る。
「なんでも、自分の気に入らない人を呪ってくれるらしいな。
しかもタダでだぜ?」
雄介が余計なことを言うからだ…
そう自分に言い聞かせ、額の脂汗を拭う。
「ただし、約束事を破ると、とんでもねぇ代償を払わされるらしいけどな」
そんなわけない…
そもそも、そんな職業が存在するわけがない。
ドアを開けて鳴る、鈴の音でさえ、俺を惑わす。
「…こんにちは」
がらんとした中、一つのテーブルに囲われた2つの椅子。
他には何も置かれていない。