呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「んなわけなーじゃん。
そんな物騒なとこ行くかよ!」

昨日は俺に押し付けといて、この有様だ。

やっぱ少しくらい呪ってやんなきゃなんねぇ。

「…なんだよなー」

呪える、と思ったら自然とあまり憎しみは湧いてこない。

「あー、んでな」

ここからが勝負だ。

「俺今日用事あんの思い出してさ。
母さんに買い物頼まれてたんだよ」

ここで、雄介を振り切らなきゃいけない。

「…なんだよー。
あ、一緒に行くか?」

「一人で買い物くらいできるよ」

笑ってごまかす。

上手く演じれてるだろうか…

「まぁいいぜ。
今日はここでお別れだな」

やっと校門の所まで来て、雄介はそう言った。

嬉しさでニヤけそうな顔を必死にごまかす。

「おう、じゃーな!」

そう言って、俺はスーパーの方へ歩き出す。

雄介に会わないよう、スーパーの方向へ、少し遠回りして行かなきゃならない。
< 23 / 167 >

この作品をシェア

pagetop