呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
目の前にあるドアノブを、震えですっかり力の抜けてしまった指先で握る。
その時、
「…また来られたんですね」
中からあの女の声がする。
思わず飛び上がって離れるも、背後の柵に体を受け止められた。
「…またびびってるんですか?
命取りになると言ったでしょう」
そう言う女の声はいつもよりも感情が入っていて。
なんて言うか…
怒りがこもっていた。
声を出せないほど腰が抜けてしまった俺は、情けなくも口をパクパクと開けたり閉じたりを繰り返す。
そんな俺に女は構わず、
「今日は先客がいらっしゃいましてね…
まぁ、どうぞ、お入りください」
いつの間にか落ち着いた声に戻り、少しだけドアを開けると、俺を中に招き入れた。