呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「…わかってるよ」

もう些細なことじゃ驚かない。

今日のうちにありえないことが起こりすぎたせいだろう。

「…で…
俺が呪いの内容を指示すればいいんですか?」

呪い返しの恐怖に負けて、また低く出る。

「そうですね」

そんな俺の行動に満足したように、女は一人、椅子に座り、足を組む。

「…ちょっとした腹痛とかもありなんですか?」

ためしてやろう、とばかりにまずは小さなことからやろうと思った。

「いいですよ…
今からやってみますか?」

そう言う女の顔がニヤリと笑うのが仮面を被っていても雰囲気で伝わってくる。

「…甘く見ない方がいいかもね」

俺の横で岩崎が不安そうに言う。

こいつはどれほどものかきっと知ってるんだ。

「…やってみないとわかんねぇよ」

それだけ返して、呪い屋の女を見据える。
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