呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
呪い
「っ…」
夏場の暑さからか、恐怖からなのか…
流れる脂汗の理由なんてどうでもよかった。
目の前にいたのは…ごく普通の少女だった。
それも、俺と同い年くらいの。
でも、そいつは…
「…なんで…岩崎…?」
俺の口から恐怖とともにもれる疑問。
そいつは、岩崎と全くと言っていいほど同じ顔をしていた。
「たまたまよ」
俺の隣から、おそらく本物である岩崎が言う。
「…いや、本当はきっと、たまたまじゃない。
こっちは、私のお姉ちゃんだから…」
悲しそうに言う岩崎は、仮面を被っていた女に…
いや、少女んお隣に並んで立つ。
「…似てるでしょう?
確かにお姉ちゃんだけど…
残念ながら、私の記憶にはない」
そう言って、姉の肩に手を置く。