呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
一瞬にして気づく、全身の痛み。
「っ…これ...な、なんだよ...」
自分の体を庇おうと手をやるも、ヌメッとした感覚に包まれる。
俺の...血だった。
「...汰一くん!」
青ざめた顔で駆け寄ってくる岩崎。
「呪い…返しだよ...」
涙を溜めて俺を支える岩崎は、震える声でそう言う。
「でも…
依頼主と呪いの対象は、呪い屋の呪いじゃ何があっても死ねない...
それが、呪い屋を傷つけた場合、死よりも過大な苦しみを得る、の意味...」
溢れる涙を無視して、岩崎は俺に必死に説明する。
「...このままじゃどうにもならないから」
そう呟いて、岩崎は姉の方に向き直る。
「また来ますから...麗薇さん」
そう言って、俺の肩に手を回す。