呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「うぅっ…」
何もかも口から出てきそうになって、口を抑える。
「…貧血だよね…
もはや、それどころじゃないか。
呪いのせいで、死なないギリギリの量の血が、体に蓄えられてるの。
…呪いだから、どういう原理になってるのかはわかんないけど」
わずかに体を起こした俺の背中を支え、さすってくれる。
「おぇぇっ…うぇっ…」
なんとも汚く、情けない声しか出せない俺。
「明日にはだいぶマシになると思うよ。
ほら、さっきより出てる血の量も少なくなってきてるし、傷が少しずつ塞がれてってるみたいだね」
ずっと俺の目を見て、懸命に話しかけてきてくれる。
なんとなく、岩崎の香りがほのかにするベッド…
それも、俺の傷を癒すのを手伝ってくれている気がした。
とにかく…
今はなんでもいいから、頼りたい。
そう思って、震える指先で岩崎の手をなんとかつかんだ。
一瞬、驚いた顔をする岩崎。
でもまたすぐいつもの優しい顔に戻って、そっと握り返してくれた。