呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
だんだんと楽になっていくのを感じる。
「…俺…」
いつのまにか喋れる体力もあることに気づいた。
「…だいぶよくなったみたいだね」
そう言って、俺の手の甲を優しく撫でていたのを止める岩崎。
「なんでだろうね」
「…回復力が早いことだよな」
きっと、今、俺と岩崎は同じことを考えている。
「うん。
安静にしてると、いつのまにか楽になってくるの。
私の考えなんだけど」
そう言って、床から立ち上がると、俺が寝ているベッドに座る。
「呪いが関係してるんだろうね」
そして、困ったように首をひねる。
「…俺もそう思うけど…」
ゆっくりと上半身を起こし、血塗れになった服を脱ぐ。
「…わりぃ。
今だけ我慢して」
目をそらし、気まずそうにしている岩崎に謝る。
「…上だけだから…
ちょっと傷を確認してほしい」
遠慮がちにこっちを見た岩崎に、さっきまでずだずだだったはずの胸からお腹にかけてを見せる。
「…さっきまで、ここらへんが全滅だったのはわかるよな?」
血が流れた後を指差すと、岩崎は静かに頷く。
「…そういうことだ」
うまく話せない俺は、なんとか理解してくれることを願い、そのまま口を閉じる。