呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「っ…」

強張って動かなくなる体。

喉がカラカラに乾いて、思うように喋ることもできない。

「よかったらお茶でもどうですか」

そう言って、ドアの奥に引っ込めていた手を出す。

その手には、ペットボトルのお茶が2本、握られていた。

「はい」

身軽に俺の方に歩いてきて、お茶を手渡す。

「あ…ありがとうございます」

震える手で、なんとかそれを受け取る。

「それで?
どういった依頼ですか?」

女は、見透かすようにククク、と笑って、椅子に座る。

「どうぞ、おすわりください」

そう言って、もう一方の椅子を指差した。
< 4 / 167 >

この作品をシェア

pagetop