呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
もっと詳しく…
岩崎が持って来てくれた服に袖を通そうとするが…
「岩崎!」
慌てて呼ぶ。
「…どうしたの?」
パタパタと足音がして、ドアが開く。
「…わりぃ。
これ、手当てしてくんない?」
そう言って、血がまだポタポタとしたたる箇所をさす。
「あ…ごめん。
すっかり忘れちゃってた」
ちょっと待ってね、と言って、部屋を出て行く。
すぐに戻ってくると、救急箱らしきものを手にしていた。
「そこにまた座ってもらっていい?」
今さっき寝ていたベッドを指さされる。
「あぁ」
素直に従うと、
「ちょっと痛いけど、我慢してね」
そう言って、岩崎の手が伸びてきた。
どうやら手慣れているようで、素早く処置は終っていく…
「もしかして、岩崎もよくなるから…
手当てなれた?」
そう口にすると、岩崎はおかしそうにクスクスと笑う。
「違う違う。
…お母さんが看護師でね。
よく、手当のしかたとか教えてもらってたの」
…どうりで。
プロ並みの手際のよさに、的確な処置。
「…すげぇな」
思わず感嘆の声を発する。
「…そう?」
またおかしそうにクスッと笑うと、
「これでおしまい!
また何かあったら呼んで」
そう言って、立ち上がる。
「あぁ、待てよ!」
とっさに腕をつかむ。