呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
深まる謎
「…着替えたよ」
階段をおり、どこにいるかわからない岩崎に声をかける。
「こっちこっち」
そう言って、顔を覗かせ手招きするのが見える。
「あぁ」
短く答えて、岩崎の方へと歩き出す。
階段をおりるとすぐ玄関が見える、よく見る造りのこの家。
くるっと向きを変え、すぐ左を向くと、リビングらしい。
「…い…わさき…?」
左を向いて、目に入ったのは、なんとなく違和感を感じさせる岩崎の姿。
「…どうかしたか?」
いやにニヤニヤしている。
そんな表情に、何か背中に冷たいものが伝う。
すると突然、岩崎が俺に手を伸ばす。
「…汰一くん...」
いつもとは違った、妖艶さを交え、俺の首に手を添えると、ゆっくりと抱きしめられた。
「…っ…おい…」
突然の出来事で頭が混乱し、それとともに俺の中に変な感情が芽生える。
このまま、抱きしめればいい…
このまま…
そんな、悪魔の囁きが聞こえる。