呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「い…わさき…
やめろ…って…」
必死にわずかな理性を頼りに離れようとするも、だんだんと岩崎の抱きしめる力が強くなっていく…
「いいじゃない、ちょっとくらい…」
岩崎の吐息が、俺の耳元から首筋にかけて伝わり、ゾクっとする。
その瞬間、異変に気づいた。
「おい…いた…い…」
だんだんと強まる抱きしめる力。
何か危険を感じ、必死に引き離そうとするも、首に手がまとわりつく…
「っ…岩崎っ!」
苦しくなる呼吸。
必死になって叫んだ。
「…汰一くん?
…汰一くん!」
岩崎の声が、別なところから聞こえる。
「…汰一くん!」
息を切らし、額に汗をにじませた、恐らく本物と思われる岩崎が、俺にまとわりつく女を引き離した。