呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「…その人が話そうとしてるのは…
呪いの説明だから…っく…」
そう言うと、顔を膝にうずめ、それからは何も喋らなくなってしまった。
諦めて女に向き直ると、
「えぇ、その通りですよ。
それ以外の用事は一切ありませんから」
そう言って満足そうに足を組み直す。
「…呪いの内容てことか?」
そう問いかけると、
「えぇ。
あの時藤堂さんが出ていってしまうから…」
しらじらしくそう言う。
「…どうでもいいけどよ」
何を言っても無駄だと悟る。
どっちにしろ、今何かを言ってもどうせまた呪い返しがくるだけだ。
そんなくらいなら、黙って我慢していた方がマシだ。
「じゃ、腹痛で頼む」
何かむかつくことを言われる前に、と俺から口を開く。
「…裏山 雄介に、腹痛で」
短くそう言う。
「了解しました。
今からでいいですね?」
俺を試すように見る女。
「…今から雄介に電話する。
その直後に呪いをかけてくれ。
…効果はすぐでるんだろ?」
そう聞くと、
「えぇ」
と、自信ありげに笑った。