呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「…こういうこと」

無表情で言う岩崎。

俺は震えながら頭を抱える。

「なっ…んだよ…こ、これ…」

声まで震えるも、そんなこと気にしていられない。

ただ、ガタガタと震えることしかできない。

そんな俺に、

「今日はもう休んだ方がいいんじゃない?」

岩崎が心配そうに言う。

夏なのに…

7月だっていうのに、とてつもなく寒い。

変な汗がいたるところでつたい、もはやどうでもよくなり、拭うことも諦める。

「…なんだよ…
なんなんだよ…あれ…」

さっきのおぞましい声が、まだ耳に残っている。

「私も…初めて見たとき、ゾッとした。
…凍ったよ…」

遠くを見つめ、そう言う。

明日には、忘れられるんだろうか。

また、普通の生活が戻ってくるんだろうか…

そう思いながら、ふと呪い屋の女の方に目を向ける。

「っ…‼︎」

女は汗びっしょりだった。

それどころか、呼吸が苦しそうで、はぁはぁと息が上がっている。

「麗薇さん、大丈夫ですか?」

そう言うと、慣れているのか、落ち着いた様子で部屋を出て行く岩崎。

すぐに戻ってくると、その手にはタオルが握られていた。
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