呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「私のこと、麗奈って呼んでよ。
この人は、麗薇って」
女がわずかに照れた気がした。
やっぱり…こいつ、人間なのか。
まだまだ聞きたいことがある…
でも、それはまたの機会にすべきだろうか…
そう思い、とりあえず、
「麗奈に麗薇な」
そう一言呟くと、並んだ二人を真正面から見据えた。
すると、
「そろそろ時間なんです…」
苦しそうに声を発しながらソファから立ち上がる麗薇。
「時間…?」
そう問いかけると、
「いいんです。
また明日、いつもの場所に来てください…」
そう静かに言うと、
パチン
麗薇の指がなる。
瞬きをし、もう一度見ると、麗薇は溶け込むかのようにスゥッと消えていった。
どう表現したらいいのかわからず、麗奈の方を見る。
「…死んでるからね…」
そう悲しそうに言ったのは一瞬で、
「さ、少しは気分よくなった?
汰一くん、親に連絡しなきゃでしょ?
泊まるんだから」
いつのまにかいつもの口調に戻った麗奈に、素直に頷いた。