呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
呪い屋の秘密
あの後、倒れるようにベッドに駆け込んだ俺。
そんな俺を見て、麗奈はまた、優しく笑っていた。
麗奈…
そう呼ぶのに、戸惑いがないわけじゃない。
でも、呪い屋の女のことを麗薇って呼ぶことの方がよっぽど無理がある。
「それも、いつの間にか慣れるかな…」
一人さみしく呟く。
麗奈が快くかしてくれたベッド。
一生懸命、シーツやら周りの物やら、俺の血でベドベドになったものを2人で片付けた。
麗奈は下で布団を敷いて寝ると言っていた。
…わずかに残る、絞め殺されそうになった感触…
あの、麗奈の今にも崩れそうな泣き顔…
きっと、あれが本当の姿なんだろうな、と思った。
麗奈は、いつも笑顔だ。
でも、その笑顔の裏の、計り知れない闇。
その原因の全ては…
きっと、麗薇。
あの2人の関係がまだよくわからなかった。
もちろん、姉妹なのはわかる。
でも…なんで麗薇は自殺したんだ?
どこで、どうやって死んだんだ?
今は、それが一番知りたい…
寝返りを打って、寝る態勢を整える。
「明日…考えればいい。
麗奈と一緒に、麗薇に会いに行けばいいさ…」
そう呟いて、寝ようとする。
しかし…
ふと、雄介の叫び声を思い出す。