呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
呪い屋の秘密

あの後、倒れるようにベッドに駆け込んだ俺。

そんな俺を見て、麗奈はまた、優しく笑っていた。

麗奈…

そう呼ぶのに、戸惑いがないわけじゃない。

でも、呪い屋の女のことを麗薇って呼ぶことの方がよっぽど無理がある。

「それも、いつの間にか慣れるかな…」

一人さみしく呟く。

麗奈が快くかしてくれたベッド。

一生懸命、シーツやら周りの物やら、俺の血でベドベドになったものを2人で片付けた。

麗奈は下で布団を敷いて寝ると言っていた。

…わずかに残る、絞め殺されそうになった感触…

あの、麗奈の今にも崩れそうな泣き顔…

きっと、あれが本当の姿なんだろうな、と思った。

麗奈は、いつも笑顔だ。

でも、その笑顔の裏の、計り知れない闇。

その原因の全ては…

きっと、麗薇。

あの2人の関係がまだよくわからなかった。

もちろん、姉妹なのはわかる。

でも…なんで麗薇は自殺したんだ?

どこで、どうやって死んだんだ?

今は、それが一番知りたい…

寝返りを打って、寝る態勢を整える。

「明日…考えればいい。
麗奈と一緒に、麗薇に会いに行けばいいさ…」

そう呟いて、寝ようとする。

しかし…

ふと、雄介の叫び声を思い出す。
< 54 / 167 >

この作品をシェア

pagetop