呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
荷物をある程度片付け、席につく。
教室の中はなんら変わりなかった。
でも…一つだけ…
「雄介…」
いるべき場所に、雄介はいなかった。
チラッと後ろを見、麗奈を探す。
目が合うと、
「おはよう!」
まるで何事もなかったかのように挨拶をし、俺の席までくる。
「…いないね」
周りのことを考えてか、声を潜め言ってくる麗奈。
「あぁ…
やっぱ無理なんじゃねぇの。
あんな恐ろしいこと体験したら、普通学校こないだろ…」
一般論をぶつけてみる。
「じゃぁ、汰一くんは普通じゃないね。
昨日あんなことあったのに学校来てるじゃない」
クスクスと笑いながらそう言われる。
「…そうなのかもな」
俺も少し笑ってそう返した時、
「はよーっす!」
あの少し憎い、元気な声が耳に届いた。
俺も麗奈も、ハッとして声の方向を向く。