呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「雄介…」
途端に、麗奈の顔が青ざめる。
きっと、俺もそうなんだろう。
ぎこちない足取りで、雄介に近寄り、声をかける。
「お前…昨日…」
それ以上は、言えなかった。
何か喉にとんでもなくでっかい塊がつまったような気分だった。
「おぅ、汰一かよ!
昨日悪いな…
急に腹痛くなってよ。
…おっかしーなー」
まるで少し腹の調子が悪かった。
そう言うかのような雄介に、鳥肌が立つ。
「いや…昨日の…」
そう言いかけた時、パシッと俺の腕がつかまれる。
「…麗奈…」
即座に振り返ると、麗奈が必死な顔をして、俺の腕をつかんでいた。
雄介は、そんな俺らに気づかず、通り過ぎていく…
とりあえず雄介は後でにしよう、と思い、麗奈に向き直る。
「どうしたんだよ?」
あまりにも尋常じゃない麗奈の必死さに、俺の方がビビる。
麗奈は、ただ首を振るだけだ。
「…麗奈…?」
そう問いかけると、まるでそれを合図と判断したかのように俺の腕をつかんだまま麗奈が走り出した。