呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

「邪気が見えたじゃない!」

信じられない、という風に声を張り上げる麗奈。

俺も俺で信じられない。

なんていったって...

「邪気ってなんだよ」

まるで漫画やアニメの世界だ。

いまだかつて生きてきて、この現実世界で邪気がどうとかなんて聞いたことない。

「...ほんとに見えなかったの?」

諦めたかのように座り込む麗奈。

「おい...
ちょっと歩こうぜ。
俺の家近いから、そこで話そう」

麗奈が大きな声を出すせいで、人目を集めてしまった俺ら。

麗奈が素直に頷くのを確認すると、そそくさと歩き出す。

「学校サボって親に怒られない?」

心配そうに言う麗奈。

「私のせいだし...
ちゃんと謝るけど...」

そんな麗奈に、思わずクスッと笑ってしまう。

「そんなわけないじゃん。
俺の親、そんなことで怒んねぇって」

クスクス笑いながら言うと、安心したのか、麗奈も一緒に笑ってくれた。
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