呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

それから俺らは無言で歩いて。

でも、自然と気まずさは感じなかった。

どこか、柔らかな、心地いい雰囲気。

お互い、恐怖に染まった環境。

そんな俺らだからこそ、こういた雰囲気がつくれるんだろうか。

麗奈も麗奈で、足取りが軽く、どこか嬉しそうだった。

俺が密かに思ったのは、2人でいればきっと怖くないってこと。

俺は一応男であるわけで、麗奈にとって心強いだろう。

そして逆に俺は、麗奈のあの優しい雰囲気に癒されていた。

それだけじゃない。

いざとなったとき機転の効く、あの冷静さ。

お互いに、足りない部分を補い合っている気がした。
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