呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
きっと、今頃ばあちゃんの目は涙でいっぱいだ。
俺が二階に着いたころにはきっと、その涙は溢れ出てるに違いない。
そう思うも、もう一度襖を開ける勇気のない俺は、そのまま背を向け、歩き出した。
これが呪いを依頼した運命なのだと痛感し、現実に起こっていることなのだと実感する。
この間までそんな感覚なかった。
ただ、ゲームのようなものなんだって思ってた。
でも…
リセットボタンはなければ、回復薬までもない。
俺にはきっと、麗奈しかいないんだ。
まるで依頼者どうし、傷の舐め合いをするかのように。
ただ、今を必死に生きるしかないんだ。