呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
考えろ!
「わりぃ」
ドアを開けたまま、そばの壁にもたれかかっている麗奈。
話を聞いていたんだろうか。
「あの…」
そう遠慮がちに口を開く俺。
聞いてたんだとしたら、きっと麗奈の方が気まずいに決まってるのに。
「何も聞こえてないよ。
これはほんと」
じゃぁ、どれは嘘なんだと思いながらも、さっきの言葉には嘘は含まれていないことがハッキリとわかる。
何かをごまかそうという気もなく、気を使っているような雰囲気も感じられなかった。
「おばあちゃんと言い合いになったの?」
そう控えめに聞く彼女。
麗奈だって、きっと家族を捨ててきたんだ。
今更家族関係を隠したところで、そのうち全てバレるのは目に見えていた。
俺もいつかは、麗奈のように避けられるようになるんだ …
血塗れで帰ってくる俺に遭遇した家族は、最初こそ心配するだろうが、きっとそのうち気味悪がるだろう。
どれだけ血が流れても死なないんだから。
それはもうとっくに、昨日体が引き裂かれた時に覚悟していた。