呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「気づいてんのかな。
悲しそうだった…
今頃泣いてんのかなみたいなね」
そう考えたら俺もなんとなく顔が歪んでくる。
でもまさか、麗奈の前でそんな情けない姿を見せるわけにはいかない。
「…話すわけにいかないもんね、呪い屋のこと…」
そう言って、麗奈も目を伏せた。
俺らが全てをみんなに話せて、誤解を解くことができたなら…
どんなによかっただろう。
どんなに楽になれるだろう。
でも、それは叶わない。
いや、叶ったとしても、誰1人信じてくれないんだろうか…
「んで、邪気ってなんだよ」
いっそ、話題を変えてしまおうと思った。
このまま俺たちの苦しみを分かち合ったところで、何があるわけでもなく、ただ悲しいだけだ…
「うん、邪気ね…」
いつの間にか、いつもの控えめな麗奈に戻っているのに気づき、苦笑する。
こいつはなんなんだ、全く。
ころころと性格が変わる気がする…
いや、女ってそんなもんなんだろうか。