呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
契約
「男に二言はありませんね?」
さも楽しそうに言うと、俺の返事など待たず、
「ありがとうございます。
只今より、契約後、といたしまして、約束事の説明をさせていただきます。
まずはこちらの契約書にサインをお願いします」
さっきまでの人間らしさはどこへ行ったのか、まるで機会のように定型文のようなものを並べる。
俺は曖昧に返事をすると、机上の書類に手を伸ばす。
「あの…ボールペン…」
見当たらないそのペンを探すも、
「そんなのいりませんよ」
女の手が俺の手に伸びたかと思いきや、お俺の手に激痛が走る。
「っ!」
顔を歪めたが、女はお構いなしと言うようにどこからともなく皿を取り出すと、そこに俺の流れる血を滴らせる。