呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「ほんとに見えなかったの?」
そう言って、見えていてほしいような顔をする麗奈。
「いや…
見えててほしかったの?」
思ったことをそのまま返す。
「いや…
見ない方がいいのかもしれないね」
また悲しげな表情に戻り、何やら考え込む麗奈。
「わりぃ。
とりあえず入ろうぜ」
そう言って、部屋の中に入るよう促した。
普段からそこそこ綺麗に保つように心がけているため、急遽客が入っても特に困ることはなかった。
って言っても、女の子を部屋に入れるというのはまた違う気がする…
何かヤバいものはないかと密かに冷や汗を流しながら、座布団を手渡し、座らせる。
麗奈はしばらく考え込んだかと思うと、急に口を開いた。
「つまりね、邪気は邪気なんだけど…
その、背中から、何か黒いものが出てきてるの、気づかなかった?」
「いや…」
というよりも、正直、雄介が学校に来たという衝撃で、全くそこまで気が回らなかったんだろうと予想する。
「気づかない方がいいっちゃいいんだけど…
あれってようは、とりつかれてるみたいな状態だと思うんだよね」
そういって、苦笑いする麗奈。
とりつかれてる…?
それ、どういうことだよ。