呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「麗奈は見えたわけ?」
そう聞くと、苦しそうに頷く。
あんまり見て気持ちのいいものではないんだろう。
「とりつかれてるって…
何にだよ?」
そもそもの疑問はそこだった。
呪い屋の女…麗薇が幽霊っぽいのは今までの話から予測できる。
でも、別に麗薇は呪いをかけてるだけだろ?
なんかそういう霊を操るみたいなのはまったく聞いてないし、感じなかったぞ。
「あれ、お姉ちゃんが原因なの」
一生懸命考えていると、思いもしない言葉が麗奈の口から飛び出した。
麗薇が原因…?
ますますわけわかんなくなってきたぞ。
「いや…
じゃぁ、麗薇は霊とか妖怪を操ったりするわけ…?」
俺の乏しい想像力ではそこでストップしてしまう。
漫画の世界ではそんな感じなはずだ。
そう思っていると、
「…漫画じゃないんだから」
冷たくそう返されてしまった。
「じゃぁなんだよ。
もったいぶってねぇで教えろよ…」
だんだんとイライラしてきて、話し方が雑になっていくのを感じる。
そんな俺に明らかに焦っている麗奈。
「いや、違うの。
なんて言えばピッタリくるのかわかんなくて…
お姉ちゃんね、多分呪いがかかってるの」
これまたわけわかんなくなる。
呪いをかけている張本人に、呪いがかかっている…?
「なんだよそれ」
思わず眉をひそめ、訝しげに麗奈を見る。
「…単に私の推測なだけ。
でも多分当たってると思うんだよね…」
そう言って、麗奈は静かに話し始める。