呪い屋〜呪われし幽霊少女〜


「でも、多分だけど…
麗薇は死んでからずっと呪い屋をやってたんじゃない」

「どういうこと?」

「最近でしょ?
呪い屋の噂が流れ始めたの」

そういえばそうだ。

俺らの学校で呪い屋の噂が急激に広まったのは、つい最近だ。

そもそも誰がそんなこと言ったんだ。

だって、契約してる人間しか知らないわけで…

もしバラしたら死ぬかもしれないんだろ?

そんな自分の命を喜んで差し上げますなんてドM人間、どこにいる。

「麗奈はあの噂、どこで聞いた?」

少し考え込む麗奈。

「普通に誰かが興奮して話してるのを聞いただけだと思う…
そんな特別な状況じゃなかったと思うな」

やっぱり、そんなもんか。

すると、

「汰一くんは?」

と逆に聞いてくる。

「俺は…雄介から」

「それこそ呪われてんじゃないの」

少し口調を崩してくすくすと笑う麗奈。

思わず俺も笑ってしまった。
< 73 / 167 >

この作品をシェア

pagetop