呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「あ、駅ってあれ?」
見えてきた最寄り駅。
「そー、あれ。
結構ボロいよ?」
とにかく汚い感じのするあの駅。
トイレが汚いのが一番嫌だった。
「別関係ないよ。
とりあえず無事電車に乗れればいいんだから。
この駅で先生たちに会ったことある?」
「いや、ない」
そういえば、ない。
朝に抜け出したからリスクは少ないって言っても、一応俺らは学校サボってんだ。
見つかったらだいぶまずいことになるだろう…
「電話しといた方がいんじゃね?」
「私、携帯ない…
学校に荷物全部置いて来ちゃったから」
そういえば、そうだ…
俺も持ってるものといえば、ポケットに財布と携帯だけだ。
「…とりあえず俺の携帯貸すから。
麗奈も欠席の連絡入れろよ」
そうしないと、絶対まずい。
親にばれちゃ、ちょっといろいろと説明がめんどくさい。
「わかった」
素直にうん、と頷いた麗奈。
駅の改札口よりちょっと手前側のところで携帯を取り出し、電話をかける。