呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「...藤堂さんと...い...わさきさん...ですか?」
扉の向こう側から苦しそうな声が漏れる。
「お前...」
思わず駆け寄ってドアを開け、大丈夫かよ、と声をかけようとしたその時。
「う...そだろ...」
開けた向こう側は、真っ黒な世界だった。
でもその中で何かが蠢いている。
ミミズのような、黒い微妙な太さのものがうようよと泳いでいるのだ。
構わず麗薇に駆け寄ろうとしたのだが、踏み出すことができない。
ドアとの境目のその先は...
まるで底がないかのようだった。
その奥の方の壁で、麗薇が寄りかかっている。
その体はまるで...いや、確かに人間じゃなかった。
黒い何かが絡みついている。
それが麗薇の体の至る所から湧き出て麗薇の体に巻きついているのだ。