呪い屋〜呪われし幽霊少女〜

普段の、敬語を使っている冷静な麗薇からは思いもよらない迫力。

「お願いだ…
呪いをかけないと…これ以上は…」

なんで…

なんで俺に頼む。

「麗薇の意思じゃ…
呪いかけられないの」

すぐ後ろから震えた声で教えてくれる麗奈。

「もしかして…」

「そう…約束事…」

そういうことか。

あれは…

あの、「呪い屋は自らの意思で呪いをかけてはならない」は麗薇を制御するためにあったのか…

ってことは、麗奈の上がいるっていう予想は多分当たってるんだな。

「雄介への呪いの指示を出せばいいってことか?」

「い、いいえ…
私の…お母さんに…」

「お前…!」

麗薇のことなんて忘れて、麗奈に駆け寄り、震わせている肩をつかむ。

「なんてそんなことできんだよ!
自分の親にそんなことやっていいのかよ!
もう終わらせるべきなんだ!」

男だったら殴っていた気がする。

それくらい、麗奈の考えに腹が立った。

「じゃぁ汰一くんだって終わらせればいいじゃない…」

悔しそうに口を歪め、嫌悪の目で見つめてくる麗奈に、無理なんだって気づいた。

「麗薇…
お母さんに苦しませてよ。
全身に痛みを感じさせるの」

「わかった」
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