呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
残酷
あまりの気味悪さに目を背けた。
こんなもの…見てはいけない。
体が受け付けないのがわかる。
麗薇の様子を見ていると、胃の中のものが逆流してくる気配を感じる。
「うぉぇっ…げぇぇ…」
手でおさえたものの間に合わず、思わず中身を全て出してしまう。
なんだあれ…
だって麗薇…まるであの蛇を喰ってるみたいだ…
「汰一くん…」
下を向いて吐いている俺には心配そうに声をかけてくる麗奈の表情がわからない。
でも、麗奈が俺に嫌悪感を感じているわけではないのは確かだと思った。
歩み寄り、優しく背中をさすってくれる。
「うぉぇ……
あんなの見て…ぉぇえ…
普通で…いられるわけないじゃん…かよ…」
胃の中のものは片付いてしまったのか、何か酸っぱいものがせり上がってくる。
おそらく、胃液だ。
「と…まんね…ぇ…」
吐いても吐いても吐き気は収まらなくて、吐きまくった。
そんな中、暗闇の部屋からの雄叫びはやみ、声の主が俺に近寄ってくるのがわかる。