呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「藤堂さん」
まだ体は吐きたりないのか、咳き込みながらも必死に顔を向けようとする俺。
「やめられたらいいんです。
終わりにしようと思ってもできないんですよ…
あいつがいる限り」
麗奈と同じ声で告げられるも、その声に含まれた悲しみは尋常じゃなかった。
「あいつって」
少し吐き気はおさまり、やっとの思いで下を向きながらも問いかける。
「あなたたちのことが見えも聞こえもしないあの男ですよ…
人間離れした容姿の持ち主の」
「ちょ…う…ど…いい…
俺も…その話…ゲホッ…聞きたかったんだ…」
息絶え絶えに途切れながらも俺の意思を伝える。
あの男は普通の人間じゃない。
雰囲気からして、きっとそうなんだ。
麗薇が、教えてくれようとしているんだ…