呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「そんなのはどうでもいいんです。
とにかく、私の邪気をどうにかしないと終わらせられない…
言っていることがわかりますか?」
俺らを射抜くような目で見つめてくる麗薇。
「いや…どういうこと?」
「協力してほしいって言ってるんです。
麗奈ほどの頭なら推測済みでしょう?
私に呪いがかかっていることくらい…」
まさに度肝を抜かれた感覚だった。
こいつ、何もかもお見通しってわけか…
「私に人間らしい感情がなくなる前に…
封印してしまえばいい」
鋭い観察力とともにのしかかってくる諦めたような声。
「封印ってどういうことだよ…」
思わずそう口にする。
呪いをかけ、人々を苦しめている極悪人に向かって、俺はなぜ憐れみの感情なんて抱いているんだ。
こんなやつ…
消せるならとっとと消してしまえばいいのに。
俺の良心はそう畳み掛ける。
しかし…
違う。
こいつは、どう考えても普通の人間と違わない。
「封印したら…
お前、いなくなるのか?
封印って…殺す…ってことだよな…」
殺す、という言葉に声が震える。
なんで殺さなきゃならない。
「この無限ループからさっさと抜け出したいんじゃないんですか?
どうなんですか?
私がここにいられるのだって残り短い…
どうせなら、その前に終わらせてしまえばいい」