呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「誰に…?」
「さっきの男に。
全ては仕組まれたことだったはず…
教室にいても嫌味を言われるだけだから、14年前のあの日…
いつも通り屋上に行ったんだ」
もくもくと湧き上がってくる自分の好奇心を必死になっておさえ、麗薇の話に耳をかたむける。
「麗奈のことを考えていた…
当時3歳だった麗奈に、今日は何して遊んでやろうかって。
でも…柵にもたれかかっていたら、突然後ろから足を掴まれて…」
掴まれて?
その続きは…俺もあまり聞きたくなかった。
「突き落とされた」
ヒッと俺の隣から漏れる悲鳴。
麗奈だった。
麗奈が、ガタガタと震えながら必死になって手で口をおさえ、恐怖と憎しみの色に支配された目から、涙が溢れ出る…
「殺してやる!
殺して…やる…」
涙でぐちゃぐちゃになり、歪んだ顔で叫ぶ麗奈。
口をおさえていた手はとっくに自由になって机を叩く道具へと化していた。
ドン、ドン、とまるで事実の重みを知らせるかのような音が部屋に響く。
「私を消して、あの男も消せば…全てが終わる。
そう思わないか?」
意外な家族愛を知らされた後の強烈な現実。
これと…向き合わなければいけないのか…
俺に、人殺しになれっていうのか。