呪い屋〜呪われし幽霊少女〜
「お姉ちゃんは生きればいい!
また一緒に暮らそうよ。
なんでそんなこと黙ってたの。
なんで隠してたの…
また…一緒に…」
「麗奈」
姉らしい包み込むような声で制する麗薇。
「私はもう死んでいる」
残酷すぎた。
もし、俺の大切な人が、もう既に死んでいるはずなのにこの世に存在していたら?
しかも、一緒にいられないなんてことになったら?
考えたくもない。
でも、麗奈はそんなことが現実に起こっている。
とめどなく流れる涙を眺めるしか、俺にできることはなかった。
「そろそろ帰ってください」
急にそんなことを言い出す麗薇。
「待てよ!
まだ聞きたいことが…」
「また次に」
俺の必死の思いを遮り、立たせると、背中を押される。
「待てって!」
「行かなきゃならないんですよ。
あいつのところに行かなきゃならないんです!」
苛立った様子でそう告げられる。
「まさか…
時間だからって言って消えたのは…」
「あいつに会いに行くからですよ。
行かなければまた…」
「…まさか…」
嫌な予感が、汗となって俺の背中を伝う。
「あいつも呪いを使うんですよ」
残酷すぎる事実と、これから起こりうる恐怖が混じり合って…
絶望に近いものを感じた。