年下くんの事情
「えっマジで? それなら・・・。」


「401・・ここだ。」
4階のエレベーターから右に曲がった1つ目の部屋に着いた。
壁は絨毯のような毛質で 覆われ、ベージュ色に赤い牡丹の花模様が施されていた。
部屋の扉は木で出来ていて、金色のプレートに401とだけ書かれてある。
中に入ると 左手に小さな扉があった。
その中にはバスとトイレと洗面所があり、 簡単なアメニティーも揃っていた。

玄関に立つと 下は白地に灰色の大理石調で一段上がるとそこから先はベージュの絨毯張りだった。

大理石と絨毯の分かれ目を見て麻理子は
「私ここで寝るんだ・・せめて絨毯の上がいいな。」
とつぶやいた。

それを聞いてか聞かずか、素早く靴を脱いで ずかずかと入って行った龍が、白いダブルベッドに大の字で寝転がって言った。
「わーふかふかじゃん ここの宿泊代高そーだねっ クククッ。」

龍をにらみつける麻理子に 続けさまに,
「ところでさ、君何歳? 高校生じゃないよね?。」
仰向けに寝転がった龍が、柔らかく伸びた横髪を、人差し指でくるくると巻きながら言った。

「は・・・・。」
(私が幼稚だからって そこまでバカにすることないんじゃない?)
(あ・・ダメよ 彼を怒らせたら・・。でもどうしよう・・この状況で年上なのがバレるのってちょっと恥ずかしいな・・)

「あ・・ごめんなさい 実は24歳です。」
(やっぱ本当の年を言っておこう・・彼の恋愛範囲内に入っても困るし。)
(どう?私はあなたより4つも年上で しかも困ったちゃんよ!さぁ、明日私を大阪駅まで届けなさいっそしたらあなたの役目は終るわっオホホホホ)

「・・・・・へぇ・・年上か。」

「はい。 変ですか?」

「いや・・・。」
龍はそういうと 起き上がり、45度向きを変えてベッドに座りなおした。
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