年下くんの事情
バタン
さっき閉めたはずの扉が勢い良く開いた。
白い湯気が麻理子の頬に流れてきて 麻理子は目をつぶった。
「ちょっと・・もう上がったの?」

「あ・・いや・・ 目つぶってて。」

「え?ちょっと・・あなたまさか・・。」

うっすら目をあけると 龍が慌てて自分の荷物を持ってこちらにやってくるのが見えた。
下は短いタオルが巻かれているだけで またもや上半身は裸である。
「ちょっとー 何がしたいのよ」

「あー!目、つぶっててくださいよっ」
白いタオルがひらひらと開く度に龍の、引き締まった太ももが見えた。
それを見て、麻理子は再び目をきつくつむり、その上に両手を覆いかぶした。

龍は慌てて 洗面所に入り、荷物を置くと浴室の戸を開けたまま風呂に浸かった。
荒く閉められた洗面所の戸はバウンッと跳ね返り、ほぼ全開の状態に戻ってしまった。

「だから 戸! ちゃんと閉めてってば!」
バン! また麻理子が洗面所の戸を蹴り閉めた。
(なーんだ、あの人も私の事が怖いのね。フフ・・ お金盗まれると思ったのかしら?
フフーンそっかぁ・・)
含み笑いをする麻理子。
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