年下くんの事情
「あっ安達さんっ んもー!どうして私を連れて行ってくれなかったんですかっ ひどいじゃないですかー!」
龍はまだ 微笑んだままだ。いや・・・これは微笑んでいるよいうよりも・・・
龍の手が優しく伸びて麻理子の両肩をつかむ。
そしてゆっくり麻理子を引き寄せたかと思うと・・・

ドンッ
怪しい笑みを残したまま、麻理子の肩を両手で突き飛ばす龍。

「あっ・・・。」

麻理子は一瞬自分がどうなったのかわからなかった。
龍が高い所にいることだけはハッキリとわかる。

「痛たたたたた・・・。」

地面に付いた手の裏を見て 自分が尻餅をついているに気付いた。

「ちょっと! 何する・・・。」

プシュー・・・・

バスのドアが麻理子の言葉を遮った。

「いやよー いやー! 私乗りますっ ここにいるのにっ ・・・・ 待ってぇー!」
バスの後を必死で追いかける麻理子。
バスの中から 龍がまだ不適な笑いを送っているのが見えた。

「この ガキィー! 今度会ったら 絶対仕返ししてやるー!」
自分の声にハッとして目が覚めた。
「夢・・・?」

ジリジリジリ!!!

急に鳴り出した目覚ましの音にビクッと肩をすくませる麻理子。
辺りを見渡すと 白いシーツのふかふかなベッドの上で寝ていた。
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