年下くんの事情
ガチャ・・・
「ふうぅぅー」
玄関に入るやいなや 今日の疲れを口から吐き出した。
(どうして今日はこんなに疲れているんだろう・・・)
買い物袋をテーブルの上に置いたままにして
先に濡れたスーツを脱ぎ出す麻理子。
スーツはハンガーにかけて 室内の物干し竿代わりにしているつっぱり棒に
ひっかけた。
下着の上からガウンをひっかけると、お風呂場に入り、湯を張る。
一人暮らしをして2年。なんだか疲れが溜まっている気はしているが、
家から職場に通うのは嫌だった。
「今週末は実家でゆっくりしようかなぁ・・。」

お風呂に湯が溜まる間に、夕食用に買っていたおかずを袋からテーブルに出す。
戸棚から小さい茶碗を出して、冷蔵庫の中にある、ラップに包まれたご飯を
レンジで温めだす。
「何か温かい物を飲みたいよぅ・・」
そう言うと、冷蔵庫の野菜室を開け、残りの野菜を確かめる。
白ネギと・・・しいたけ・・たまねぎかぁ~
やっぱりみそ汁かなっ? でも、タマネギを味噌汁に入れると甘くなるなぁ・・
うん。今日は甘くて優しい・・・・卵とじの野菜味噌汁にしよう!
麻理子の顔に笑顔が戻った。
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