年下くんの事情
キッチンのテーブルを横目に、居間らしい、部屋へとたどり着くと、左側にも部屋があり、そこに、ベッドを見つける。
「とりあえず寝かせるか」

真理子のベッドは全体的に白を貴重にしたデザインで、ベッドヘッドはクッション入りの
白い生地がカバーされている。
麻理子の脇を持ち上げてベッドに座らせると、セミダブルのマットがボヨンボヨンと2度、上下にゆれた。

軽い、羽毛の上布団を真理子にかけてやると、 静かに横向きになり、壁の方を向いて
深い眠りに入っていくようだった。
「これでいいな・・。」
そう言って帰ろうとした龍。 ふと、玄関で立ち止まった。

「誰が鍵閉めるんだ?」
「うわっちょっ・・・しまった・・・」
可哀相だけど仕方ないと、真理子の肩をゆさぶって起こそうとしたが、
真理子は起きるよりも先に う・・・うぇっ・・・ と、今にも飲んでいた物を戻しそうな
音を口からもらすので、 龍はそれから先、麻理子に刺激を与える事ができなくなってしまった。

それから数時間が経った。
龍は明々と照らされた、6畳の居間のラグの上で体育座りをして
真理子が自然に起きてくれるのをじっと待っていた。
時計が12時を過ぎかけていた。
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