年下くんの事情
「あ・・・あぁ」

とだけ言うと居間に荷物を取りにいく。

「着替えなきゃ・・急いで着替え・・・あ・・・」

龍は昨日から上着しか脱いでないので着替える必要はなかった。
逆に無駄に服を脱ぎ散らかしてしまったことに気付く。
慌てて着なおしてキッチンに戻ると、もう、麻理子は食べ始めていた。
「仕事・・間に合わなくなっちゃうから 朝ごはん途中でも追い出すからね」
「う・・うん」

いつになくきびきびとしている麻理子におどおどする龍。
たが、やっぱり食べ終わるのは龍の方が早かった。
先に食べ終えた龍は麻理子の顔をジロジロと見ている。

「なによ・・・ まだ時間あるんだもん。ちゃんと噛んで食べるんだもん」

ゆっくり噛み締めて食べる麻理子。

「いや・・・・・旨かったよ。ありがと。」

麻理子、にこっと微笑んで、
「んふっ 残り物だけどね、ありがとう」

「じゃぁ昨日の晩御飯も美味しかったんだろうね」
テーブルに右肘をついて、こぶしのうえに頬を傾けながら、
キッチンをぐるっと見回してから、麻理子の顔で視点を止めた。
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