年下くんの事情
「はい・・・・ 私もなんです。 ほんっとに、待っててくれてもいいのに!
困りましたよね・・・ どうしたらいいか もう、すべがなくて・・。」

「え?・・・・・」
しばしの沈黙のあと

「そんな大変なことか?」
男は 深刻そうな麻理子の姿がわからないという顔つきで聞き返してきた。

「・・・・・・。」
麻理子は 自分の感覚が変なんだということに気付かされ、釘で刺されたようなショックに
そこからなにも言えなくなっていた。

「ボリボリ・・ チッ」
男は後頭部を左手で掻きながら しかめっ面をして舌打ちをした。

どうしよう・・どうしよう・・ ようやく現れてくれた 同じ方角に帰る人がこんな冷たい人で・・
あぁ・・私の事すっごく バカにしてるんだろうな・・ 呆れられたかしら?
この人に・・どの程度頼れるのかしら・・・ はぁ~

麻理子の頭の中には、絶望の旋律がじわじわと流れ始めていた。
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