年下くんの事情
龍がコーヒーを飲み始めると、夕子は数枚の資料を出して、
「飲みながらでいいから聞いてちょうだい」
と、一方的に話し出した。
この、資料のほとんどにはうちの社員の名簿が載っています。
この名簿に載っている社員の電話受付窓口になることが主な仕事内容です。
用はこの、資料に載っている人物宛てに電話やメールが来た時に、社員が外出していても
素早く繋げれるようにならないといけないわけなの。
対応する人数は多いけれど、社員が外出していなければ龍が出る必要は無いわ。
社員の方には龍とコンタクトを蜜に交わすよう伝えてあります。ま、電話番ってとこね。

「ふーん なるほど・・それだけ?」
「ま、今のところはこれくらいよ。 後は社員の要求に応じて龍の出来る範囲内で手助けしてあげたらいいと思うわ。」
「わかった! で・・俺のオフィスってどこ?」
飲み終えたコーヒーをテーブルに戻して夕子を見上げた。
「じゃぁ、今から案内するわね、それから関わることになる社員達にも一応顔見せしとかなくっちゃね」
そう言うと夕子は壁に設置されているボタンを押しながら
「社長室リビングの後片付けお願い」
とだけ言うとボタンを離した。
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