ASIN(微BL)

「俺もトナミ兄さんみたいになりたい。神宮の名前じゃなくてちゃんと立花鷹として認知される人になりたいんです。だから……」

「だからとりあえず神宮の家を出よう……と」

「はい。けして女形の仕事が嫌になったわけじゃない。ただ、立花鷹としての何かを手にいれたい。その何かがまだわからないけど、行動を起こさなきゃ始まらないから」


 だからここへ来たんです、と上目遣いで彼を見上げながら言い切れば、貴文さんは「わかった」と口許に笑みを浮かべた。


「そーゆう事なら俺も協力するよ」

「本当ですか!?」

「おう! まぁ俺じゃ心もとないだろうけど……」

「そんな事ないです! ありがとうございます、本当に……」

「いいって事よ。とりあえず今から神宮家に行こうか」

「え、何故ですか?」


 首を傾げる俺に、貴文さんは

「雪都じっちゃんに喧嘩を売りに」

 と苦笑った━━。

 
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